********************百人一首 その25******************
名にしおはば 逢坂山の さねかずら 人に知られで くるよしもがな
<三条右大臣>
「なにしおわば おうさかやまの さねかずら ひとにしられで くるよしもがな」
<さんじょうのうだいじん>
【解説】会って一緒に寝るという名を持つ「逢坂山」の「さねかずら」。そのつるを手繰り寄せるように、誰にも知られずに貴女に会いに行く方法があればいいのに。
三条右大臣とは藤原定方(ふじわらのさだかた)のこと。屋敷が三条にあったのでこう呼ばれた。「さねかずら」は赤い実がなるつる植物。ここでは「小寝(一緒に寝る)」と掛けている。下の句の「くる」とは女性のもとに自分が行くことで、英語のcomeや伊語のvenirなどと同じニュアンスなのが興味深い。
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