| ********************百人一首 その30****************** 有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし<壬生忠岑>
 「ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし」<みぶのただみね>
 
 【解説】明け方の月がそっけなく見えた。あのつれない別れから、私にとっては夜明け前の暁ほど辛いものはない。
 恋人に冷たくされたために夜明け前の月もそっけなく見え、月を見るたびに恋人との辛い別れを思い出すという失恋の歌。しかし定家は別の解釈をした。男性が女性のもとに通う平安時代。暁は男女にとって別れの時間。そのため別れを告げる夜明け前の月をうらめしく思って詠んだ、という解釈。まるで都々逸かなにかのように生々しく艶っぽいが、そのほうが断然面白いと思うのはボクだけ? |