| ********************百人一首 その61****************** いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな<伊勢大輔>
 「いにしえの ならのみやこの やえざくら きょうここのえに においぬるかな」<いせのたいふ>
 
 【解説】かつて栄えた奈良の都の八重桜が、今日はこの宮中で美しく咲き誇っている。
 「九重」宮中のこと。中国で城が九つの門に囲われていたことによる。一条天皇に紫式部と共に仕えていた伊勢大輔。あるとき一条天皇のもとに奈良から桜の枝が贈られ、そのときの歌を詠む大役を紫式部から授かった伊勢大輔が詠んだ歌。「いにしえ」と「けふ」、「八重」と「九重」を対比させている。ウマいねえ。
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