********************百人一首 その62******************
夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
<清少納言>
「よをこめて とりのそらねは はかるとも よにおうさかの せきはゆるさじ」
<せいしょうなごん>
【解説】深夜に鶏の鳴き真似をしてだまそうとしても、函谷関(かんこくかん)ならいざ知らず、逢坂の関は許しません。だから私に会いに来るのも許しません。
ある夜、清少納言のもとに来た藤原行成が早く帰ってしまった。翌朝、行成が「一番鶏が鳴いたので朝だと思った」と言い訳をしたため、「鶏の鳴き真似で函谷関の門を開けた」という中国の故事から「うそ鳴きの鶏ですか」と返した。
さらに行成が「関は関でも、私と貴女が会う逢坂の関です」と返したため、清少納言は「貴方が深夜に鶏の鳴き真似をして、それで函谷関の番人はだませても、私はだまされないから会いに来ても門を開けたりはしない」とこの歌を詠んだ。
教養のある御方達ではある。
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