********************百人一首 その80******************
長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は 物をこそ思へ
<待賢門院堀河>
「ながからん こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもえ」
<たいけんもんいんのほりかわ>
【解説】末永く愛し続けようという貴方の気持ちが本当か分からず、お別れした今朝は、黒髪が乱れるように心が乱れて物思いに沈んでしまうのです。
「物をこそ思へ」物思いにふけっているよ。これは恋人と一夜を過ごした男性が、翌朝、家に帰ってから女性に贈る「後朝の歌(きぬぎぬのうた)」に対する女性からの返歌として詠まれたもの。この時代、男性の訪れを待つしか無い女性の不安な気持ちが詠まれている。
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