焼き鮭 with G1X Mk2
撮ってから思ったのだけど、あまりこういう食品はトイカメラモードで撮らないほうがいいかも、ということ。なにしろクロスプロセスほどではないが、色味が実物とかなり違うので焼きたての美味しそうな鮭に見えない。蝋で出来た食品サンプルのようでもある。ん?
ということは色味というよりはむしろコントラスト関係か?。
食品というか料理を美味しそうに写真に撮るのはかなり難しいということは昔から聞いている。レストランなどでいかにも美味しそうに見える料理の写真が広告を兼ねて壁面に展示してあったりするが、あれは実際にはとても食べられるものじゃないそうだ。
照り感を出すために油を塗ったり、湯気が邪魔しないようにわざと冷めてから撮って合成の湯気を足したりしている。湯気に関しては料理写真のほとんどがニセモノで後から写真に加えられたものだ。その他、冷たいものでは氷はニセのプラスティックだし、料理の見た目を重視して色彩を誇張したりしている。つまり実際には見本写真ほどにはカラフルということはないのがほとんどのはず。
カメラで青空を撮ると、その色彩が実際に近いものと、記憶に近いものでは色味が違う。この場合、どちらが良い色再現と言えるかは人によって違ってくるだろう。肌色ももちろんそうで、この辺りに関してはかつての3大フィルムメーカーがそれぞれ違う色味傾向を打ち出していた。つまりフィルムのときはフジとサクラとコダックで微妙に違う色味結果となっていた。
聞いたハナシでは日本人が好む青空の再現に特化したのがフジで、日本人の肌色にこだわったのがサクラ、一方で室内の空気感のような色調再現に特化したのがコダックということだった。
これは色味に関してだけど、例えば誰でも口ずさめるようなドレミの音階にしたって現代ピアノでお馴染みの平均律以外にも、純正律やパスカルや、その他の微妙にピッチの違う数十種類もの音律(独自の音程を伴った音階)があるくらいで、色味も音程も限りなくバリエーションがあるってことなんだな。