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こんな広いところでポツンと死ななくてもねえ、とか思ってしまった。とっさに「ベニスに死す」を連想したぞ。
アブラゼミは幼虫時代を地下で6年ほど過ごし、地上に出てから羽化して成虫となりだいたい1週間ぐらいで寿命を終える。つまり交尾と産卵のために出てくるわけで、基本は地中生活なのだな。ん?すると幼年時代こそが人生の中心で、成年時代は次の世代に引き継ぐためのおまけみたいなもんか。
しかしこの人生最後の1週間に向かって暗い地中での6年間を積み上げてゆき、最後に真夏の陽光降り注ぐ樹上での生活をエネルギッシュに爆発させると考えると、たとえ期間は短くとも彼/彼女の人生の中心はやはり成虫となってからのものかもしれない。だからセミはうるさいのだな。