*** テキトー絵日記 ***

2020/10/10(土)

セルジオ・メンデスとブラジル66

with G1X Mk2

接近中の台風14号は紀伊半島の南海上で進路を南へ変更するらしい。日本の手前で南下していく台風なんて初めてじゃないか?おかげで明日は晴れの予報。なので志摩半島周遊サイクリングに行けそうだ。さて昨日話題にしたセルメンだけど、Chove Chuvaから引き続き当時の彼らのヒット曲を懐かしく聴いていて、ふと気になったのでフロントで歌っている二人の女性歌手について調べてみた。

これは彼らが大ブレイクした翌年の1967年、テレビに出たときのもの。明らかに口パクなのだけど、ここでいろいろ分かってきたことがある。まずフロントの女性だが向かって左側に立っているのがLani Hall(ラニー・ホール)、アメリカの歌手でセルジオ・メンデスが発掘したということになっている。当然ポルトガル語はしゃべれないのでポ語の歌詞の時は英語風のアクセントを解消する必要があったとか。もっともブラジル66といいながら歌う歌詞はデビュー曲のマシュケナダを除いてほとんどが英語だった。さてここからが面白い。彼はブラジル66を売り出すに当たって<Double track vocals>という路線を考えつく。これはこのLaniの声に惚れて全編を彼女のダブルレコーディングによるユニゾンコーラスにするというもの。

ではもう一人の女性は何なのだということになるが、当初はあくまでビジュアルのためにフロントに二人の女性を立たせるというのが売り込むコンセプトであったらしい。つまりこの辺りはもう完全にアメリカンショービズというわけだ。そのもうひとりが画面右側に立つ背の高い女性でJanis Hansen(ジャニス・ハンセン)という。

彼女は最初のアルバムではほとんど歌ってない。全曲ともLaniのダブルレコーディングによるもので、これは2枚目のアルバムでも変わらない。ただしその後は実際にコーラスなどに参加しているがJanisがリードボーカルをとっているのはThe Look Of Loveだけだそうだ。しかもこの曲も後半はLaniの声が重なってくる。

彼らが世界的に大ヒットした後で日本にもやってきているのだけど、その時のことを東京キューバンボーイズでパーカッションを演っていた人から聞いたことがあるが、生の舞台でLaniによるあの独特の美声のユニゾンコーラスをどうやっていたのだろうか?なにしろJanisとは明らかに声質が違うのであのレコードのようなピッタリ揃った雰囲気をどうやって演出していたのかが非常に気になる。

それにしてもセルジオ・メンデスはプロデュース能力の長けた人だなあと改めて感心するばかりだ。クインシーばりだね。

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